Blog茶の湯つれづれ ①「清める」こと

写真は、ほうきと釜洗い。いずれも直接的な茶道具でなく、稽古や茶事を始める前に畳を掃いたり、釜の使用後に底についた灰を洗い落とすためのものです。どちらも棕櫚(しゅろ)皮の繊維を束ねて作られており、軽く丈夫で伸縮性に富み、長持ちするため、樹庵の稽古場にも常備しております。もちろん茶席の表舞台で客の目に触れることはありませんが、掃除や道具の手入れ・後始末は、非常に大切なこと。 茶道では、「洗う」「掃除する」という表現より「清める」という言い方を多用します。単に清潔にするだけでなく、心を入れて美しく整えるという意味が込められているように思います。すでにきれいに準備された茶器や茶碗を、席中では帛紗や茶巾で客の前で改めて清めるのは、それが単なるパフォーマンスではなく心を尽くす表現であるからではないでしょうか。普段の家事などもちょっとした気持ちを込めて行うことができれば、と思います。 ほうきも釜洗いも、練馬区の箒の専門店で買い求めました。ネット販売はせず店頭小売のみですが、この優れものに一目ぼれして稽古場用に即買いしました。ちなみに、箒はギフトとしても喜ばれるとのこと、特に結婚など人生の節目に贈る習慣はフランスでもあるそうです。(※箒には災いや厄を祓う意味もあることに因る。)

練馬の 「そうこう箒本舗」 用途に応じた様々な箒を販売しています。 http://www.geocities.jp/takeboukioroshi/page03onige.html